2023.10.23-26 鹿児島巡検
資源地質学会秋季講習「南九州浅熱水性鉱床巡検」に
大竹先生、古川皓一 (B4)、小島満天(B4)の三人で参加してきました!
今回の巡検は主に金鉱床について勉強する会でした。
たくさんの場所を訪れましたがいくつか紹介します。
「菱刈鉱山」
菱刈鉱山は1985年から現在まで操業中の金鉱山で、その品位は約20g/tです。
1tあたり20gしか金が採れないのかと思うかもしれませんが、これは世界の金鉱山の中でもトップレベルの品位で
現在日本の金生産量の9割以上を占めています。
また菱刈鉱山は坑内掘(地下に坑道を掘って採掘する方法)を採用しており、
中は暗く暑く騒がしく、大きな機会が通れるくらいには広いのに私は少し息苦しかったです。
写真は載せられませんが金は脈状に存在しています。
約90万年前、地表の割れ目を通った熱水に溶け出した物質が冷え固まりそれが脈となりました。
90万年前!?
そんな昔なのかと驚くかもしれませんが地質学的に見ると非常に新しい鉱床なのです。
菱刈鉱山から湧き出てくる温泉水は一部湯之尾温泉へ供給されているので、鹿児島に行った時はぜひ浸かってみてください!
「春日鉱山」
約600万年前にできた金鉱床です。
金の品位は菱刈に比べて低いですが、春日鉱山は露天掘り(坑道を掘らずに地表から直接削っていく方法)を採用しています。
露天掘りは非常に広くて開放感がありますが、遮るものが何もなく日差しが暑かったです。
珪化岩と言ってシリカ(Si)が添加されているので岩石は硬く、ハンマーで割るのが大変でした。
「海岸沿いの露頭」
火砕流砕屑物によって形成された露頭も訪れました!
非常に景色が綺麗で久しぶりの海にテンションが上がりました。
左)開聞岳を背景に右から古川、大竹先生、小島
右)丸や線の形をした空洞は軽石などの跡で、火砕流によってできたんだなとわかる
「指宿市 湯峯蒸気噴出帯」
指宿市の山奥にある湯峯蒸気噴出帯に行きました!
ここでは地下で暖められた熱水が蒸気となってそこら中から湧き上がってきていました。
ほとんどサウナにいる感覚に近かったです。
蒸気が噴き出す穴に間違って足を突っ込んで大火傷をした人もいるんだとか。。。
ここで多く見られたカオリナイトという鉱物は舌にひっつくというユニークな特徴があり、写真のように実際に確かめてきました。
左)蒸気が噴き出している様子
右)舌に引っ付くカオリナイト
また、鹿児島の名物(鳥刺しやキビナゴ、船人めしなど)美味しいご飯もたくさん食べました!
個人的には大竹先生に食べさせていただいた腹皮(カツオの腹の身の部分)で、一番脂が乗った部位だとか。
鹿児島では一般家庭の食卓にもよく並ぶそうです。
写真)鹿児島名物のキビナゴなど
貴重な経験を多くさせていただき大変勉強になった巡検でした。
勉強面以外でも旅館のおいしい料理や温泉を満喫したり、他大学の学生や先生方、国内外の企業の方との交流を楽しんだり、大竹先生に飲みに連れて行っていただいたりと充実した3泊4日を過ごすことができました。
環境地質学研究室ではこのような充実したフィールドワークが他にもたくさんあります。
活動的で活気のある研究室に興味があるという方は是非、環境地質学研究室へお越しください!!(文責:古川、小島)