環境地質学研究室 (Laboratory of Environmental Geology)

研究紹介(KAKENHI No. 19H00878)
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Nishiki et al. (2020)

北海道占冠村赤岩青巌峡付近の蛇紋岩地すべり地帯(神居古潭帯)からM-S-Hがその場で形成していることを発見した。またその共存物質として霰石(CaCO3)が確認された。

アルカリ性湧水(~pH10)の周りにその場形成した鉱物を確認した。
光学顕微鏡写真におけるP6は砕屑性の蛇紋石であり,P5は霰石,その周りにP5(=M-S-H)が固結して生成している。

M-S-Hは低結晶性の蛇紋石(クリソタイル)に類似する構造を有していることが観察できた。

Shimbashi et al. (2018), Simbashi et al. (2020)

フィリピン,パラワン島ナラ地区(パワワンオフィオライト)におけるトレンチ調査・ドリルホール調査からFe, Mgからなる低結晶質シリケートハイドレートが発見した。

調査地で行ったトレンチ調査。Clastic sediments層を観察した。

砕屑物粒子(かんらん石や輝石など)の周りに,Fe, Mgからなる低結晶質シリケートハイドレートやCaからなる低結晶質シリケートハイドレート(即ち,カルシウムシリケートハイドレート)が生成していた。

Fe, Mgからなる低結晶質シリケートハイドレートはナノ粒子の凝集体であり,その電子線回折像は先行研究で報告されているM-S-Hの回折パターンと類似するものであった。

Nozawa et al. (2018)

M-S-Hが,汚染土壌中の有害元素として認識されているホウ素を取り込むことを発見した。酸化マグネシウムを用いて汚染土壌の不溶化処理を行った場合,酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムのホウ素の収着挙動を考慮するだけでなく,土壌中で生成しうるM-S-Hのホウ素の収着挙動を加味することが必要であると考えられる。

MgO-SiO2-B(OH)3-H2O系における室内実験

MgO-B(OH)3-H2O系におけるホウ素の収着率よりMgO-SiO2-B(OH)3-H2O系におけるホウ素の収着率の方が大きくなった。これはシリカを含む系ではM-S-Hが形成し,ホウ素を収着するためであると考えられる。

M-S-Hへのホウ素の収着機構:ホウ素はM-S-H構造中のSiO4四面体構造内に取り込まれていた。